トシのせいかよく昔のことを思い出すんですが、小学生の低学年だった頃、同じクラスに足の不自由な小児麻痺の女の子がいて、往復数キロ歩く遠足へ行く時に面倒を見てあげてねといって、歩く列を作るさい担任の先生が僕の隣にその子を連れて来ました。
僕はそれを露骨に嫌がって「嫌だ」と先生に訴えた記憶があるんですが、先生の隣にいた足の不自由な女の子がそんな僕の態度を見て、何とも悲しそうな表情を浮かべていました。その表情が今も忘れられません。まずいことを言ってしまったと子供心に後悔したものでしたが。
今にして思えば、不自由な足で遠足へ行くその子には不安があったのだろうし、その子を送りだした親御さんにしてみても同様だったろうと思います。でも子供の頃の僕にはそんなことを想像したり理解したりすることはできなかった。ただその子と並んで歩くのが嫌だった。その遠足がどうだったのか今となってはもう忘れてしまいましたが、足の不自由な女の子のうかべた悲し気な表情は今でもふと思い出すことがあります。他のクラスの人達の名前はほとんど忘れてしまいましたが、その子の名前は何故か今もはっきり覚えていたりして。彼女、その後、幸福に暮らしたのかな？今はどうしているのだろう？元気に暮らしていらっしゃるのかな？
今日、口内炎が治らないので歯科へ行ったんですが、「親知らずが頬にあたるんだよ、薬をつけて治らないようなら親知らずを抜いてしまうしかないね」と歯科医は言ってました。このトシになって親知らずかと苦笑したものです。
