天気予報によるとまた夜から雨が降り出すとのこと。
桜の葉がだいぶ散っていました。
枯葉にもそれなりの風情がありますね、桜。
と、これだけではナンですので、
山本周五郎の『虚空是也』より、
「何のために、何の目的があって、あんなみじめなことをしながら生きてゆくのか。
おそらく、あの人たちには何の目的もないのだろう（中略）人の家のごみ箱をあさるのも、
その当人がしていることではなく、生命という無形のものが人間を支配して、
あのようなみじめなことをしても死に至るまで生きようとさせるのではないだろうか。
（中略）残飯をねだっているのはいのちだけで、その老人そのものはもうそこにはいない。
人間としての老人はもうその肉体から去って、虚空のどこかをさまよっているんだ」
確固とした目的を持って生きる人というのは、社会にどれぐらいいるのだろう？
こんな生き方をしている人って、社会の底辺をさまよっている人だけではないような・・・。
人にとっての貧しさは何も物質面だけではないよう気がしないでもないですし。
上に引用した文章のように感じた主人公ですが、やがて彼自身の姿になってしまいます。
