Hatibei's music blog

以前は写真ブログでしたが、最近はもっぱら音楽の話題です。

安全な避難所

アヴィシャイ コーエンはチックコリア ニュー トリオのベーシストだった人ですけど、彼自身のアルバムにも結構よい作品があって、Seven seas などはアルバムを全部聴くと中東あたりの民族音楽の影響を受けているようにも聴こえ面白いです。

https://www.youtube.com/watch?v=Iu01NR-FUIwAvishai Cohen - Seven seas

チックコリア ニュー トリオといえば Past, present & futures というアルバムはよかったです。マイルスのバンドにチック コリアとキース ジャレットが同時に参加していた時があって、その頃は断然キース ジャレットの方が凄いと思ったものですが、チック コリアも偉大な(という表現がオーヴァーではない)ピアニストでした。彼が亡くなってもう1年以上になるんですね。

https://www.youtube.com/watch?v=twdaMiOUxzg - Chick Coria new trio - Fingerprints 

昔は人は死ねばそれで終わりだと思っていましたが、全く科学的でないかもしれないけれど、最近、命って循環しているのではないかとそんなふうに思うようになってきました。陸地に雨が降ってそれが川に集まって海へと流れ帰る、で、また海の水が蒸発して雨雲を作りそれが陸地に雨をふらせる。で、その水がまた川に集まって・・・といったふうに。

https://www.youtube.com/watch?v=v9rDdaxK0nE&list=RDv9rDdaxK0nE&start_radio=1 - Paul McCartney & Wings -Mamunia

この歌は命の循環を歌ったものではないと思うけれど、歌いだしの文句はなかなかいいなー。

♪The rain comes falling from the sky to fill the stream that fills the sea and that's where life began for you and me

Mamunia というタイトルは当時ポールが滞在していたホテル名の Mamounia からとったものだそうです。Mamounia はアラビア語で「安全な避難所」という意味なのだとか。長い長い歴史の中で個人の一生なんてのは長くても100年そこそこだけれど、でも命を終えてもそれは循環しまた別の命になって・・・といった具合に巡り巡って永遠に続いてゆく、そんなフウに考えた方が楽しい訳で。『方丈記』の有名な書き出しは「行く川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたかは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。」というものだけれど、川面の泡はすぐに消えてしまうけれど、川の流れは絶えないとも書かれている訳で、鴨長明さんは泡の方に関心があったみたいですけど、命の本質は泡の方ではなくて川の流れの方なのじゃないかとそんな気がしたりして・・・。でも核戦争で世界そのものが破滅なんてことになったら命の循環も何もかにもなみーんなお終いかもしれません。Mamounia(安全な避難所)なんてたとえ七つの海を越えてあちこち探しまわってみたところでどこにもなさそうだし。